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想田和弘監督『選挙』6/19再々公開。¥1,000ぽっきり。見るべし!

ちょっと前ですが、かなりの評判だということでDVDを買ってみました。
う・・・うわさに違わぬ面白さ!!

YouTube Preview Image

『選挙/Campaign』
2007年(★2010/6/19より再々公開)
監督: 想田和弘 http://documentary-campaign.bl……gspot.com/
出演: 山内和彦 http://senkyo-yama.seesaa.net/
公式サイト:  http://www.laboratoryx.us/campaignjp/
公式Twitter:  http://twitter.com/senkyo2010
※想田監督のブログでも動画がいくつか視聴できます。

自民党に白羽の矢を立てられ、縁もゆかりもない川崎市議会議員の補欠選挙に出馬することになった男の選挙活動を追ったドキュメンタリー。政治に関しては全くの素人である山内和彦を当選させるため、元首相・小泉純一郎を筆頭に多くの著名人が奮闘する。

選挙 [DVD]

販売元:紀伊國屋書店

2007-12-22 発売

時間:





まずはDVDのパッケージを開けた時点で「お、これは自信ありと見た!」とわくわくさせられました。というのは、封入されている新聞を模したリーフレットが、中身も見た目も良く出来ているのです。DVDのパンフレット、リーフレットって、通常盤にはまず入っていないし、特典盤でもほとんどが中身のない「これのために+¥1,000かよ!」みたいなものが多い中、すごくちゃんとしてます。
何このサービス精神!作り手としてちゃんとしている証でしょう、これは!


監督自ら「観察映画」と銘打っているように、この映画はただ淡々と山さんとその周囲の人々・出来事を追いかけるもので、取材者(=カメラマン=監督)のコメントやナレーションは一切入りません。マイケル・ムーアのドキュメンタリーのような暑苦しいタッチとは全く違うんだけど、それなのに気付けば手のひら握りしめているという、アツイ映画です。

何より主役の山さんがチャーミングなんです。とにかくいい人で、とにかく一生懸命なんです。だから、怒られっぱなし山さんの不慣れな選挙運動にハラハライライラさせられつつも、「がんばれっ!」「まけるなっ!」「ああっ、もうっ、山さーんっ!」といつの間にか山さんを応援している自分(like 母)。


全編を通して印象に残るのは、出てくる人たちの「顔」です。
市会、県会、国会と、議員がわらわら出てきますが、やっぱり山さんとでは顔のハリが違うというか、ギラつき方が違うというか。

選挙戦スタートという時に山さんの事務所前に自民党議員たちが集結してくる場面で、この映画初の有名人、荻原健司がちらっと映りますが、ここ、最初の「キターッ!」ポイントです。いよいよ始まるぜ!本番はこれからだ!という期待感にテンションガン上がりすること請け合いです。その後も橋本聖子など有名議員が続々出てきますが、わたくし彼らをタレント議員と思ってこれまでなめてましたけど、やっぱり山さんとは比較にならない迫力がありますよ、顔に、たたずまいに。

中でもクライマックスの街頭演説に登場する小泉純一郎は別格でしたー。もうブロック・パーティーなんてもんではない。フェスです。小泉フェス(超満員)。当時の小泉人気に沸き上がる映画の中の聴衆と一緒になって「ぎゃー!キターーーーーーッ!」と大興奮ですよ。なんていうかもうあれはスターです。うんにゃ大スターだ、キラ星だっぺ。有名人についつい投票してしまうおばちゃん、おばあちゃんたちの気持ちがよーくわかりました。握手で「よろしく!」とか言われたらうっかり票入れちゃいそうです。
同じドキュメンタリー映画でも本物のスターが出てくる『This Is It』、『アンヴィル』(…はちょっと違うが)それ以上、まるで最高のアクション映画を観ているかのような興奮が、まさか選挙の映画で味わえるとは思いませんでしたなあ(笑)。

とはいえ、かくいう山さんも、それこそ出だしと終わりとではまったく違う顔。超かっこよくなっていきますよ!その成長っぷりもまたいいんです(遠い目)。


最も印象深いのはラスト・シーン。

山さんもなんとか当選し、万歳三唱〜お偉いさんの挨拶が終わって映る、一同の疲れ切った「顔」。とりわけ山さんと奥さんの。
あの“どんより”感。

・・・っていう。
うーん、うまい終わり方だー。

「観察映画」という作り手側による“誘導”が少ない手法であるということは、この映画を観ることによって受け取れる「何か」の間口が広いということになります。海外ではこの映画はコメディとして受け取られるそうで、もちろんそれには激しく同意。ですが、日本人が見た印象として「泣いて笑って感動して」ってだけなのはどうなの?ってところでのあの終わり方、ある種の「イヤーな感じ」がしっかり残るように出来ている。山さんと一緒の気持ちになって選挙を戦ってきた後に残された「イヤーな疲労感」「あんまり明るくない未来」っていうところまで一緒に感じなさいよー!っていう。むふーっ。


ネットを通じた選挙運動(山さんが現役議員時代に訴えてきたテーマ、とどこかで読んだ気が…)も解禁となり、政権交代を経たあれやこれやもあり、タレント候補もうじゃうじゃ出てくるようですが、次の選挙はまじで!ちゃんと!考えて投票せねばいけませんなあと思う今日この頃です。


『選挙』は2007年公開の映画ですが、2010/6/19(土)より再々公開されるそうです。しかも合言葉割引で「¥1,000」で観られます(詳しくは公式サイト等で)。まだの方はぜひこの機会に!
また、もっとすばらしい『選挙』評がネットのあちこちに転がっていますので、気になる方は検索してみて下さい。

↓ライムスター宇多丸さんによる想田監督インタビューも大変面白いです!
http://www.tbsradio.jp/utamaru……t_474.html

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